「衛星戦士の目覚め」
セーラー戦士の正体が分かってから1年、妖怪の存在・魔界の存在・霊界の存在が明らかになって5ヶ月が経ち、妖狐蔵馬を前世に持つ南野秀一は幻海師範の寺に来ていた。
「どうした蔵馬・・・・何沈んでおる」(幻海)
蔵馬の異変に一早く察知した幻海の言葉に、周りのみんなも心配そうに顔を合わせた。すると蔵馬は周りの雰囲気に苦笑し、昨日のことをすべて話した。
「何ーーー!!?蔵馬の幼なじみの女の子がセーラー戦士ーぃ!!?それで自分と俺達のことを言いに行ったーぁ!!?」(幽助&桑原)
幽助と桑原は蔵馬の告白に絶叫し、飛影や凍也達は目が点になるほど驚いていた。
「その脱力した様子だと、かなり勇気を出して行った様だね〜」(ぼたん)
ぼたんは脱力し、後ろに暗い影を少々背負っている蔵馬をくすくす笑いながらからかい見ていた。
「ぼたんちゃん!蔵馬君にとっては笑い事じゃないんだよ?」(静流)
静流はぼたんを軽く叱り、そのぼたんは少しおどけて舌を出していた。
「それで、何か言っていたか?」(躯)
蔵馬と同様幻海の寺に来ていた躯は驚きを落ち着かせるためお茶を飲んだあと、蔵馬に聞いた。
「近いうちに会いに来ることは言ってましたけど・・・・」(蔵馬)
「近いうちっていつだべ?星の戦士ってどのくらい強いべ?」(陣)
陣は耳にワクワクが出ているのを分かっていながら止めようとはせず、脱力から復活した蔵馬は少々呆れながら言った。
「強さについてはよく分からないけど・・・・、8月の初旬はみちるさんのヨーロッパバイオリンコンサートツアーがあるって言っていましたから・・・・中旬ですね」(蔵馬)
一方その頃うさぎ達はと言うといのじり自然公園にあるドラクル城の地下で戦っていた。だが、マーズ・ジュピター・ウラヌスの3人が傷ついた。そしてそれから数日後うさぎ達はヨーロッパのとある駅に旅行ケースを持って来ていた。
「いや〜飛行機2回乗って〜特急乗って〜・・・・・」(うさぎ)
「宇宙の果てまで来たって感じ・・・・・」(レイ)
「ごめんね、ウィーンでのコンサートが延期になって・・・・・」(みちる)
「ハンガリーでの公演も延期になったしな・・・・・」(はるか)
その数分後、駅でトランシルバニアまでの時間などいろいろ話しているところに英語の教師エリザベート=バートリーがやってきて、トランシルバニアまで連れて行ってくれたが・・・・・数分後「エデン」と言う場所で中世の妖怪達との決戦が行われ、勝利はセーラー戦士・改心したマンドレーク・ヴァンピール・ドラクル伯爵で終わった。
それから2週間後、幻海の寺にうさぎ達はやってきた。しして、それぞれの自己紹介を15分程度で終わらせた後、ほのぼのとした雰囲気が流れた・・・・・。
「いや〜猫が人間の言葉を喋るから驚いたぜ・・・・・。しかも、元人間だなんて思っても見なかったぜ・・・・・。」(桑原)
「そうだね。俺もかなりビックリしたよ。・・・・・・ん?あれ?はるかその首筋の傷は何?」(蔵馬)
蔵馬は桑原と話しているときにちょっとはるかの方を見た時に首筋から見えた傷に気付き、聞いた。
「なっなんでもないよ!」
蔵馬に首筋の事を聞かれたはるかとっさに首筋の傷を隠したために、さらに追求されるはめになった。
「何でも無いわけないだろう?見ればレイちゃんとまこちゃんにも同じような傷があるし、ヨーロッパで何があった?」(蔵馬)
「〜〜わかった言うよ!!あたしにとって屈辱的なことだったからせつなに聞いて!」(はるか)
蔵馬の追求に耐えられなくなったはるかは降参したのち、せつなにバトンタッチをした。そしてバトンタッチを受けたせつなは、旅行前の出来事・旅行先での出来事を順番を追って話した。するとその話は雪菜にとってかなりのショックだったらしく、途切れ途切れに口を開き言った。
「それじゃあ・・・・・その傷は・・・・・ヴァンパイアに・・・・・噛まれた・・・・・跡なんですか?」(雪菜)
「だけど、もうその呪いは解けているの。ヴァンピールが自らの血で逆剣十字を切ってくれたおかけでその傷はもうただの傷よ」(みちる)
するとみちるは雪菜の恐怖を取り払うかのように、優しく頭をなでながら言った。
「トランシルバニアでの戦いについてはルナとアルテミスとダイアナが月のホストコンピュータを隔てて見守っていたから、このCD−ROMで戦いの全貌が明らかになるわ」(せつな)
せつなにそう言われ、蔵馬はせつなからCD−ROMを受け取るとパソコンを起動し、CD−ROMをセットするとその戦いを幽助達と一緒に見た。だが、その戦いを見た幽助達は次々と意見を述べた。
「ちょっとまて・・・・・」(飛影)
「何なんだべ?柴・新月・アスタルテに取り付いているカインの言葉は・・・・・」(陣)
「・・・・・(無言の怒り)」(凍也)
「なんか、カインを殺ってしまいたい気分になるな」(鈴木)
「「「同感」」」(酎&鈴駆&死々若丸)
「雷禅・・・・・俺の親父の悪口を言われているみたいでムカツク・・・・・」(幽助)
「嫌な気分だな」(躯)
すると雪菜がこの場の雰囲気を和ませようと口を開いた。
「みなさん・・・・・敵が言った言葉は気にしないほうがいいですよ。もしかしたらでまかせかもしれないんだし・・・・・。それより私、みちるさんに頭を撫でられた時とても懐かしい気分になったですけど・・・・・」(雪菜)
「そういえばオレもほたるを見て、懐かしい気分になる・・・・・」(躯)
「躯さんと雪菜ちゃんも?私とぼたんさんはまこちゃんを見て懐かしい気分になるし・・・・・静流さんは、はるかさんを見て懐かしい気分になるって言っているし・・・・・」(蛍子)
「どうしてなんだろうね・・・・・」(静流)
5人が考え込みながら言ったとき、亜美がその理由を教えてくれた。
「それはきっとあなたたち5人がかつて月に栄えたシルバーミレニアムのセーラー戦士転生した姿だからでしょうね」(亜美)
「え!?あ、あたしたちがセーラー戦士の生まれ変わり?」(蛍子)
「そうです。私たち9人は再び戦士として目覚めるように施しを受けたけど、衛星の戦士はそういう施しを受けていないから、霊界人として転生するもの、妖怪として転生するもの、そして人間として転生するもの様々よ」(せつな)
話を聞いた蛍子たち5人は、にっこりと話す亜美とせつなの言ったことに対してもう何を言ったらよいのかわからず唖然としていた所に美奈子が話しかけてきた。
「ねえ5人ともさ・・・・・前世の記憶思い出したい?」(美奈子)
「前世の記憶をですか?」(雪菜)
「オレは思い出したいな・・・・・。自分の前世を他人が知っていて自分が知らないなんて嫌だからな」(躯)
雪菜が美奈子の質問にそう返答したところ、躯は即思い出したいと返答し、それからしばらく考え込んだ4人も思い出したいと返答した。その返答にうさぎは5人の強い意志を受け取ると5人を一ヶ所に集めると、銀水晶を取り出し光を放った。
そして、銀水晶の放つ光を縁側で見ていた陣と凍也はその光の暖かさにリラックスして呟いた。
「暖かい光だべな〜・・・・・」(陣)
「そうだな陣。癒される光だな。」(凍也)
「それより俺・・・・・雪菜さんのお兄さんが飛影だったなんて・・・・・一ヶ月たった今でも信じらんねえよ・・・・・」(桑原)
「くっ桑原君・・・・・いつまでも引きずっていないで認めようよ(汗)」(蔵馬)
「蔵馬の言うとおりだ!いい加減認めろつぶれ顔」(飛影)
そんなこんなで口喧嘩が始まろうとした時、銀水晶の光がおさまったと同時にうさぎの声が聞こえた。
「あ”〜づがれ”だ〜・・・・・銀水晶って使うだけでかなりの力を使うんだも〜ん」(うさぎ)
「お疲れ様うさぎちゃん」(亜美)
「なあ・・・・・これからどうなるんだ?」(幽助)
「しばらくすれば思い出すよ♪」(はるか)
幽助は5人が前世の記憶の思い出しの施しの最中はるかと話しており、終わった後のことをはるかに聞いたが、やんわりと返答された。
「しばらくすればねぇ〜・・・・・あれ?何か5人とも泣くのをこらえているてるよ!?」(鈴駆)
鈴駆はははるかと幽助の話を聞いたのち、5人の様子を見に行ったとき、その様子に驚いた。
それからしばらくして、5人が蔵馬の作ったハーブティーを飲み落ち着いた頃鈴木が声をかけた。
「そんなに辛い記憶なのか?」(鈴木)
「辛いどころじゃないさ・・・・・。シルバーミレニアムが崩壊した時の記憶など・・・・・」(躯)
「ほっ崩壊!?何故!?」(酎)
「あたしが話す。かつて月に栄えていたシルバーミレニアムの話を・・・・・」(はるか)
はるかはそう言うと、亜美と美奈子がうさぎを連れ出していることを確認すると話した。
そしてそれから2ヶ月が経ち、蔵馬は魔界の大統領府に来ていた。
「蔵馬なんだ話したいこととは・・・・・」(黄泉)
「パパの言う通り何の話があるのさ!しかも奇淋と時雨の2人も来ているし、そんなに重要なこと?」(修羅)
幽助・飛影・躯の3人は修羅が蔵馬に尋ねているとき、大統領府に集められた理由が分かり、幽助と飛影はひそひそと話し始めた。
「(なあ飛影・・・・・蔵馬のやつあの事を話すのか?)」(幽助)
「(多分そうだろう。蔵馬のするこ・・・・・)」(飛影)
飛影が最後まで言おうとしたその時、躯が蔵馬に抗議をした。
「おっおい蔵馬!そんなことわざわざ話す必要なんてないだろう!」(躯)
「あなたの前世のことは、話す必要はありますよ。」(蔵馬)
「蔵馬・・・・・躯の前世とはとは何のことじゃ?」(煙鬼)
煙鬼は蔵馬と躯の一言、二言のやり取りを聞いて蔵馬に説明を求め、そして蔵馬は躯の他に雪菜・ぼたん・静流・蛍子の4人を含め話した。
「躯!それってほんと!?」(修羅)
蔵馬から話を聞いた修羅は驚き、慌てふためいていたが、周りの大人達は修羅みたく慌てなかったが内心はかなり驚いていた。
「本当のことだ修羅。それに2ヶ月前に一部だけど前世の記憶を思い出したしな」(躯)
躯が修羅の疑問に答えてから数分後、幽助が躯に尋ねた。
「なあ躯、質問してえんだけどいいか?10日ぐらい前に夢の中に前世の自分が現れなかったか?」(幽助)
「オレは2週間ぐらい前だけど現れた。それに幽助の事の言いたい事はこれのことだろう?」(躯)
躯はにっこり微笑むと、懐から変身ペン=リップロッドを取り出して見せた。そして蔵馬は躯がリップロッドを取り出したと同時にタイミングよくポーチからルナから預かった通信機を取り出すと躯に渡した。
すると時雨は今まで不思議だったことに合点がいったように相づちを打った。
「そうか・・・・・何故躯様の火傷が治っていたのかと思えばそういうことだったのでござるか・・・・・」(時雨)
「ところで躯、これからどうするんじゃ?百足に居たら直ぐには人間界には行けんじゃろ・・・・・。幻海のところで世話になるのか?」(煙鬼)
「いや・・・・・蔵馬の家から歩いて20分ほどのところにマンションがある。飛影も1ヶ月半前から秋山翼という人間名で暮らしているし、オレも蔵馬の考えてくれた立花唯という人間名で暮らして行く。まあ・・・・・月に2,3回帰ってくる予定ではいる。」(躯)
時雨の合点のいった呟きから数秒後、躯は煙鬼の問いに強い意思で答え、部下に心配させないようにたまには帰ってくることを言い、その1週間後人間界へ旅立った。
そしてその2ヶ月後の冬休み、躯・ぼたん・雪菜・静流・蛍子の5人はセーラー戦士になって初めての戦いがあったことは言うまででもない。
この小説の設定集!!
うさぎ・亜美・レイ・まこと・美奈子・桑原・蛍子・雪菜⇒高2
飛影・躯・はるか・みちる⇒高3
蔵馬・幽助・静流・ぼたん・せつな⇒社会人
ほたる・ちびうさ⇒小4 衛⇒大学2年
蛍子・・・・・木星の衛星イオを守護に持つ戦士
ぼたん・・・・・木星の衛星ガニメテを守護に持つ戦士
躯・・・・・土星の衛星タイタンを守護に持つ戦士
静流・・・・・天王星の衛星ミランダを守護に持つ戦士
雪菜・・・・・海王星の衛星トリトンを守護に持つ戦士