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第 22 章 VISIO ユーザー インターフェースのカスタマイズ

セクション 4   カスタム ユーザー インターフェース ファイルの使用

Visio® ユーザー インターフェース ファイル (VSU) は、インスタンス間でカスタム ユーザー インターフェースを保存するためのものです。作成したソリューションで Visio のユーザー インターフェースに大幅な変更を加えており、ユーザーが UI を変更した別のソリューションを実行する可能性が低い場合などには、VSU ファイルを使用して、カスタム ユーザー インターフェースを効率的に提供することができます。

このセクションの内容...

Custom.vsu ファイルについて

カスタム ユーザー インターフェース ファイルの保存

カスタム ユーザー インターフェース ファイルの読み込み

Visio の組み込みユーザー インターフェースの復元

Custom.vsu ファイルについて

Visio 2000 では、ユーザーのカスタマイズ設定を保存するために、VSU ファイルを使用します。ユーザーが最初に [表示] メニューの [ツールバー] から [ユーザー設定] コマンドを使用して Visio のユーザー インターフェースをカスタマイズすると、Visio インスタンスでは、現在有効なユーザー インターフェース (Visio ソリューションで提供されたカスタマイズも含む) のスナップショットが作成されます。ユーザーが Visio セッションを終了すると、スナップショットは User Profile フォルダ内の Custom.vsu ファイルに格納されます。

ソリューションで .vsu ファイルを使用してカスタム ユーザー インターフェースを提供する場合には、以下の点に注意してください。

会社内など、多くの Visio 製品がインストールされている環境で共通して実行される唯一の Visio ソリューションを作成する場合、ソリューションのユーザー インターフェース ファイルの名前を Custom.vsu に設定し、適切な Application Data フォルダにインストールすることで、カスタム Visio ユーザー インターフェースを、ソリューションを使用する環境で共通のインターフェースとして利用できます。

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カスタム ユーザー インターフェース ファイルの保存

ユーザー インターフェースを大幅に変更し、そのカスタム ユーザー インターフェースを VSU ファイルに保存するには、UIObject オブジェクトの SaveToFile メソッドを使用します以下に例を示します。

uiObj.SaveToFile("c: ¥visio¥solutions¥office¥mytools.vsu")

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カスタム ユーザー インターフェース ファイルの読み込み

カスタム ユーザー インターフェースを Application オブジェクトに設定すると、カスタム ユーザー インターフェース ファイルを読み込むことができます。また、図面を開くなどのイベント発生時に、カスタム ユーザー インターフェース ファイル (.vsu) を読み込み可能です。

カスタム ユーザー インターフェース ファイルを Application オブジェクトに読み込むには、そのオブジェクトの以下のプロパティに、カスタム ユーザー インターフェース ファイル名を設定します。

たとえば、ユーザーが Visio を起動するたびにカスタム ユーザー インターフェース ファイルを読み込むには、以下のステートメントを記述します。

Visio.Application.CustomToolbarsFile = "c:¥visio¥solutions¥office¥mytools.vsu"

Application オブジェクトのこれらのプロパティは、1 度設定すればその後設定の必要がありません。これらのプロパティは、Microsoft Windows レジストリ内の CustomMenusFile および CustomToolbarsFile エントリの値を設定し、Visio に対して対応するカスタム インターフェース ファイルの位置を通知します。パスが指定されていない場合、[ファイルパスの設定] タブで指定された Visio のアドオンパスに従ってフォルダが検索されます。指定されたファイルが見つからない場合、またはレジストリ キーが削除もしくは変更されている場合、Visio の組み込みユーザー インターフェースが使用されます。

図面を開くなどのイベント発生時にカスタム ユーザー インターフェース ファイルを読み込むには、Document オブジェクトの該当するイベントにコードを記述します。

図面を開くたびにカスタム ユーザー インターフェース ファイルを読み込むには、Document オブジェクトの DocumentOpened イベントに、以下のステートメントを記述します。

ThisDocument.CustomMenusFile = "c:¥visio¥solutions¥office¥mytools.vsu"

Microsoft Visual Basic のような外部の開発環境でプログラミングする場合には、カスタム ユーザー インターフェース ファイルを読み込んで内容を変更し、変更後のファイルを保存できます。

カスタム ユーザー インターフェース ファイルを読み込むには、LoadFromFile メソッドを使用します。以下に例を示します。

UiObj.LoadFromFile "shortcut.vsu"
...'Make UI changes
uiObj.SaveToFile "c:¥visio¥solutions¥office¥mytools.vsu"

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Visio の組み込みユーザー インターフェースの復元

ソリューションで Visio ユーザー インターフェースをカスタマイズした場合、そのソリューションの実行の終了時にオリジナルのユーザー インターフェースに復元することをお勧めします。ユーザーのシステム上のカスタム メニューやカスタム ツール バーがソリューションによって検出されたり、ソリューション実行中にユーザーによるユーザー インターフェースのカスタマイズが行われた場合は、ソリューションで追加された項目を削除したり、削除された項目を回復することでユーザー インターフェースを元の状態に復帰します。

必要なユーザー定義がすべて保存されていることが確認できたら、カスタム メニューとカスタム ツールバーを消去し、即座に Visio の組み込みユーザー インターフェースを復元できます。カスタム メニューとツールバーを消去しても、ユーザーの Custom.vsu ファイルは消去されません。ファイルの使用が停止されるだけです。

Visio の組み込みメニューとショートカット キーを復元するには、Document (または Application) オブジェクトの ClearCustomMenus メソッドを使用します。Visio の組み込みツールバーとステータス バーを復元するには、Document (または Application) オブジェクトの ClearCustomToolbars メソッドを使用します。たとえば、Document オブジェクトのカスタム メニューを消去するには、以下のステートメントを記述します。

ThisDocument.ClearCustomMenus

たとえば、Application オブジェクトのカスタム ツールバーを消去するには、以下のステートメントを記述します。

Visio.Application.ClearCustomToolbars

次に図面を開いたり Visio を起動した際には、Visio の組み込みユーザー インターフェースが使用されます。

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