恋シイヒト キングとメナード
エンディミオン・・・・私たちの愛する息子
私達は、あなたに許しを乞わなくてはならない・・・。
私たちの犯した罪であなたに背負わせてしまった運命・・・。
父である私は、この星地球の中心・・・ゴールデンキングダムの王
母である私は、ゴールデンキングダムの濃緑に守られた聖域エリュシオンの巫女姫
王の私は、地上で民と共に豊饒と平和を守りゆくことが使命・・・。
巫女姫の私は、祈りを捧げ豊饒と邪気の浄化してゆくことが使命でした。
私は、王として民に敬われ敬愛されていたけれど孤独だった・・・・。
私は、巫女姫として同じように民に敬われ敬愛されていたけれど孤独でした・・・。
あの日、私がエリュシオンに足を踏み入れたときから・・・・
あの日、私の前に王が現れたときから・・・・
運命は動き出してしまった。
巫女姫の美しい声の歌と紫紺の瞳に映る自分を見たとき、それまでの孤独が癒された。
王の地上での話を聞き、深青の瞳に映る自分に気づいたとき、今までの孤独が浄化された。
「結ばれてはいけない」―王と巫女姫という立場にあるから・・・・。
「恋してはならない」 ―流れてゆく時間が違う者同士だから・・・。
わかっていたけれど、諦められなかった。
わかっていたけれど、この想いを封じることができなかった。
唇を重ねるたびに・・・
精神(こころ)を重ねてゆくたびに・・・
体を繋ぎ合わせるたびに・・・・幸福だった。
「恋」と言う罪に濡れ堕ちてゆくとわかっていたけれど、
「愛」と言う罪に溺れ落ちてゆくと知っていても、
止められなかった。
止めることはできなかった。
生まれてきたあなたに、過酷な運命を背負わせてしまったことを知るまで・・・・。
エンディミオン・・・・愛しい私たちの息子よ
先逝く私たちのことを、許して欲しい・・・。
いつか、許して・・・・。
私は、巫女姫を愛したことを後悔などしない。
私は、王を愛したことを後悔などしていない。
エンディミオン・・・・愛しい私たちの息子よ
いつか、あなたが出会う少女との恋を・・・・
いつか、あなたが見つける少女との愛を・・・・
どうか、後悔しないで。
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