蔦   〜歪んだ月


どこで、私は過ちを犯したのだろう?

どこで、私は道を踏み外したのだろう?

蔦が這う――――歪んだ月が私を誘う

 

見ているだけで、心が満ち足りていたあの頃・・・

エンディミオン様・・・・

遠くから横顔だけでも、美しい笑顔を見るだけでも・・・・

私にとっては、至福の時だったあの頃・・・・

いつか、あのヒトの傍らで寄り添うように生きてゆきたい

なのに・・・・なのに・・・・なのに・・・・

あのヒトの瞳には―――

あのヒトの心は―――

あのヒトのすべては―――

私など映してなどいない・・・・

私にはくれない・・・・

振り向いてもらえない・・・・

私の望むあのヒトは、全て月の姫君のモノ

あのヒトの心も・・・

あのヒトの瞳に映るのも・・・

あのヒトのすべてが・・・・・

私の心に、大きな闇がうまれた

闇が、私に囁く―――

「セレニティが憎い」

『嫉妬』という名の蔦が、私の心を覆いワタシが生まれた・・・・

 

どうして、私は過ちを犯したのだろう?

どうして、私は道を踏み外したんだろう?

蔦が私の心に絡みつく・・・・

闇の中へ堕ちてゆく・・・

歪んだ月が歪んだ未来へと誘う・・・

破滅へと・・・

悲劇へと・・・

 

                 

 解説

2004
年度幕開けは、クィンベリルさんテーマで書いて見ました。
過去の悲劇を起こした張本人様でもあるベリルさまだって、本当は普通の女性だったのではないかと思います。
人間には『嫉妬』という感情が存在し、それが抑えられなくなった時人は鬼にも邪にも悪魔にもなる・・・・
彼女は、まさにその典型的な女性です。
エンディミオンを慕い続け、報われない想いを募らせているのにセレニティは、彼からの愛をすべて与えられていたんですから・・・