シークレットガーデン
私のママは、庭の薔薇の手入れをしながら私に話してくれた
パパとママは、こんな風に薔薇の手入れをしていたときに出会って大恋愛して
結婚したのよ・・・
もう、遠い昔のことなのに話すたびに少女のように頬を赤くして語るママは
薄紅色の薔薇に語りかける・・・・
ママは、世界でいちばん幸せなの・・・
ママとパパが私は大好きで、いつかママのような恋をしてみたい・・・
ママに、のろけかえしてやる〜と思ってた
永遠に叶わない夢となった・・・・パパとママは二人とも私を置いて天国へ
逝ってしまった。
孤独な私は、居場所が無かった・・・・
街から街へと転校した・・・・どこも、同じ居場所が無かった
行く先々で、孤独は募り暗闇の中で凍えた心を抱きしめた
麻布十番・・・何故か、心が騒ぐ町だった
転校生の私を見るみんなの目は、同じなのに・・・
「おいしそう〜〜・・・・」
お団子頭の女の子が、私の前に現れた
「あんた、怖くないのかい?」
「なんで?」
顔中に、ご飯粒をつけたまま顔をあげて即答で答えた
その瞬間、わたしの中で凍えた心の氷が溶けた・・・・
暗闇が、明るい朝を迎える・・・
ここの庭―――――シークレットガーデンの花が咲く
薄紅色の薔薇が美しく咲いた・・・・