カサブランカ


真っ白で気高い女王のような白百合・・・・・・

芳醇で凛とした香りが届く頃、私はいつも少しだけ悲しくなる

贈り主の名前のないバースデーカードと白い服・・・・

私に、白が似合うと呟いた日から毎年贈られてくる

あのヒトから・・・・

ママが死んで、おじいちゃんのところにきたとき本当は泣きたいくらい毎日寂しかった

そんな私の前に現れたあのヒトは、私にとって特別だった

父のように兄のように寂しい私を優しく包んでくれた・・・・・・

あのヒトの前だけは、何故か心が満たされて安らげた

それが、恋だと気づいたとき・・・・・

あのヒトの傍らに、自分がいることが出来ないことを知った

私とは違うまるで向日葵のような笑顔の女のヒトいた

「パパの跡を継ぐなら、私と結婚したいと言えばいいのに」

精一杯の強がりと虚しい告白・・・・

「君を、悲しませたくないからできないよ」

あのヒトは、悲しげな瞳で私を見つめながら囁いた

「君を愛してる、誰よりも大切だから自由に生きて欲しいから」

最初で、最後のあのヒトとのキスは少しだけ苦くて悲しかった

毎年、私の元に届く真っ白な白百合━カサブランカの花が、届くときだけ

許される私の恋

カサブランカの花が散り消えてしまうと、解けてしまう私のうたかたの恋の夢

またいつもの私にもどるから・・・・・

プリンセスを守る強い私にもどるから




              あとがき

恋シイヒトセーラーチームキャラクター編第2弾はレイちゃんです。

タイトルのカサブランカは、皆さんご存知の白百合の名前です。

原作のレイちゃんは、深紅の薔薇も似合いますがやはりこのカサブランカも似合うと思います。

このカサブランカは、真っ白で咲き誇った姿は豪華で女王さまという方もい

ますが私は凛とした姿がまさにレイちゃんそのものだと思います。

このカサブランカのお話は、原作でも外伝としてKC11巻に収録の作品

「カサブランカメモリー」がベースでの作品です。

レイちゃんのハイランクな初恋です