恋シイヒト〜BlueMoon〜
早咲きの夏薔薇の匂いが、微かに僕の所に辿り着いてきた
真っ白な薔薇がいいな・・・・
この家に住もうと決め、庭に植える花を選んでいた時呟いた
「そうしましょう・・・はるかが、望むなら」
僕の我儘に、みちるとせつなは理由を聞くでもなく賛成した
真っ白な薔薇・・・・君を思い出させる
優しく、温かな光に包まれて君・・・・
気が遠くなるような昔、僕は無限に広がる孤独という名の惑星にいた
無限の闇の中で、見えない敵と終わりのない永遠の戦いを続けていた
意味のない戦いの中で、くじけそうなると僕は空を見上げる
空の上に、凛とした美しさをたたえ浮かぶ白い月・・・・・
白い月の化身のような女王が統べる銀の王国
その傍らには、次代の女王となる王女のきみがいた
優しい穏やかな光に包まれた純粋で無垢な光の化身・・・・
僕は、君を感じるといつでも戦う勇気を取り戻せた
希望の光だった
あの日・・・・君が、最愛のヒトの後を追って自ら永遠の眠り落ちたとき
僕は、何もできなかった・・・・君を守ることも女王のそばで戦うことも
そして、招かれざる沈黙と終焉の使者が振り下ろす鎌を見ているだけだった
再び巡りあった君は、昔のような優しい穏やかな光と強い心を持った戦士だった
君は、再び召還された沈黙と終焉の使者の振り下ろす鎌の中から戻ってきた
そして、世界を再生した
僕たちは、君のそばにいることを許された
時がきたの・・・・私達は、何度転生してもその転生の理由はいつも同じなの
戦士として、再び覚醒したほたるが僕たちに告げた
行こう、君の元へ・・・・
空には、プリンスの瞳の色と同じ深青に抱かれた白い光を放つ月・・・・君がいる
行こう、君の元へ・・・・