真夜中の残滓


暗闇の中で冷たさが伝わる
静かな夜 小さな声で
恋の歌を歌い続ける
思い出の歌は 幸せの歌ばかり
初めてのデートで 手を繋ぎ
緊張が伝わる中 くちづけを交わした

すべてが この真っ暗な宇宙【せかい】に溶けていく
涙が零れ 寒さに気付く
思い出と共に 私も一緒に消えてしまいそうで
溶けてしまいそうで
恐怖を感じた気がした……
少しでいいの
ほんの小さな光を
残り火のように輝かせて
悲しみに濡れた思い出を
小さな小さな恋の歌を
笑顔で歌える その日まで……