君をさがしてた



視界がぼやける 霧の中
俺は一人だった
何処に行けばいいのか
何をすればいいのか分からない
生きている実感すらない日常に
少しの疑問も抱かなかった


視界がぼやける 霧の中で
声が聞こえた
微かな声で 囁くように
何を言っているのかは分からない…
ただ、その声を聞いた時
何故か涙が零れた


視界がぼやける 霧の中で
声が聞こえた
微かな声で 囁くように
本当は孤独な世界から逃げ出したかった
怖くて不安だったんだ
だから俺は振り向いた
声の聞こえる方を

そこには





一人で生きる事が当たり前だった日々の中で
俺は君に出会った
小さくて、泣き虫な君に
最初は何とも思ってなかった
本当の君を知らなかったから
けれど
気が付けば 君を見ていた

友達のために勇敢に戦う君は
恐怖に怯えながら必死だった
自分の事より周りの事を考える君は
大切なモノが何か既に知っていたんだ

仮面舞踏会の時
長い髪を翻し 君は俺の前に現れた
大人びた君に
夢の中での事が重なり
少しだけ
軽い 眩暈がした
眠ってしまった君に交わした「約束」
君は覚えているだろうか

臆病な俺を
君は笑顔で受け入れてくれた
君が微笑んでくれるから
俺は強くなれた


なのに……


君が敵の手中に納まっていた時
確かに君の声が
助けを求めた声が聞こえたのに
臆病な俺は
助けてやる事が出来なかった
目を瞑ってしまった





たったひとつの懺悔
俺はこの場所で誓おう
神聖な誓いと共に
命を懸けて
君を永遠に守る事を―――――





光の眩しい 教会の中で
賛美歌と共に開かれる扉
十字架の前で誓った俺は
もう 一人じゃなかった
孤独ではなかった
「まもちゃん……」
声の聞こえる方に 俺は振り向いた





そこには


笑顔の 君がいた





きっと気付けなかった
君に初めて出会うその瞬間【とき】までは
一人で生きていけると思って
歩いていたんだ

じっと抱え込んでた
どんな迷いも どんな心残りも
あどけない微笑みが
全部吹き飛ばしてくれた

ずっとずっと君のそばで 誰よりも近いこの場所で
何よりも強い気持ちで
僕は
君を守り続ける

やっと分かったはずなのに
向き合った途端に 強がってみせたりして…
これまでも これからも
繰り返すかもしれない

伝えたい言葉さえ
見つけられない時は涙流そう
僕達二人ならば
すべて乗り越えてゆくだろう

ずっとずっと君のそばで 誰よりも近いこの場所で
何よりも強い気持ちで
僕は
君を守り続ける

光のまぶしい朝でも 風の吹きつける夜でも
いつの日でも変わらない気持ちで
僕だけを見ててほしい

星つぶ数えて ため息ついた
これだけの偶然の中で
たったひとつ
ふたりの中に 生まれたものは
奇跡なんかじゃないから

ずっとずっと君のそばで 誰よりも近いこの場所で
何よりも強い気持ちで
僕は
君を守り続ける

今日もあしたもあさっても どれだけの時がたっても
これだけは変わらないんだ
僕は
君だけを見つめている

きっと分かってたんだ
君に初めて出会ったその瞬間【とき】には
さがし続けてたんだ
僕は君をさがしてた

僕は君をさがしてた


僕は君をさがしてた










               あとがき

「Wedding〜永遠の誓いを貴方に〜」の続編はいかがだったでしょうか?
今回は逆バージョンで、衛視点のお話にしてみました。と言っても、これって小説ではありませんよねぇ…。(−−;
詩といった方がいいんでしょうか?
まぁ、結婚式までにうさぎちゃんとの出会いを振り返ってる回想シーンって感じですね。何はともあれ、ここまで読んで下さった皆様、ありがとうございました。(^▽^)/

ちなみに、最後の方に書いてあるのはCHEMISTRYの「君をさがしてた〜TheWeddingSong〜」という曲です。もともとアルバムに入ってた曲だったんですが、友達に借りて聞いた時「これって、うさまもじゃん!!(笑)」と思ってしまいました。まもちゃんのうさぎちゃんへの想いとしか言い様の無い歌詞。
私のお気に入りの一曲となりましたvv(今回の話も元々この曲を聴いて思いついたんです。)
最近になってシングルとして発売され、それがオリコン上位になって大変嬉しいです。聴いた事の無いという方は是非!聴いてみてください。とってもいい歌ですよ。