Wedding  〜永遠の誓いを貴方に〜


朝日―――――
穏やかな晴天の今日
小鳥の鳴き声が優しく心の中に入ってくる
珍しく早起きのうさぎ
だって今日はトクベツな日だから・・・
ルナもまだ眠っている
下ではキッチンから音が聞こえる
トントントントン・・・
ママって毎日こんなに早起きなんだぁ
なんて思いながら、
白いうさぎのスリッパを履いて階段を下りる
「あら、今日は早起きね」
扉を開けると、
フライパンを片手に少しこっちを向いたママが
笑顔でそう言った
ベーコンのいい匂い
コーヒーを両手に、うさぎは呟いた
「・・・ママ、今までありがとう。」



「パパ、泣かないでよ。」
ちょっと困った顔で、
横にいるパパの涙を拭った
「・・・うさぎは、もうパパの娘じゃ無くなるんだなぁ。」
そう言いながら、上を見上げるパパ
「うさぎは、いつまでもパパの娘だよ・・・。」
いつのまにこんなに大人びた顔になったんだろう――
そう思いながら、うさぎの顔を見つめた
いつまでたっても子供だと思っていたのに・・・。
ガチャッと音がした
白く大きな扉が開く音
二人はゆっくりと歩き出す
ルナとアルテミスが、首に付けた鈴を鳴らしてくれている
レイちゃん、亜美ちゃん、まこちゃん、美奈ちゃん。
はるかさん、みちるさん、ほたるちゃん、せつなさん。
みんな笑顔で私たちを祝福してくれる・・・。
進悟、あんた何で涙目なのよ
ママ、泣かないでよ
視界がボヤける
泣きそうなのがバレないように
ゆっくりと下を向いた
そして・・・
向こうで立っている彼が、ゆっくりと振り向く
パパから、彼に入れ替わる
「娘を頼む・・・。」
そう呟いたパパ
せっかく奇麗なドレスを着たのに、
そんなに泣いてると見えないじゃない
パパは本当に泣き虫なんだから・・・
私と彼はお互いを見つめ
「・・・はい。」
とだけパパに言った
――――目の前には牧師様
ああ、私は今日からこの人と共に人生を過ごしていくんだわ
そう思いながら、牧師様の言葉を聞いていた
その言葉一つ一つが
魔法の呪文のよう
本当に本当に幸せで・・・
涙が溢れそうで・・・



――誓いの言葉――
私、月野うさぎは、
病める時も
健やかなる時も
苦しい時も
辛い時も

どんな時も
どんな時でも

ずっと
地場衛の妻として
お互いを慈しむ心を忘れずに
生涯共に生きる事を
そして
生涯彼を愛し続ける事を
誓います